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常磐の家

設計・監理 石井秀樹建築設計事務所

敷地周辺は風致地区の外壁セットバックおよび緑化の促進、歩道や公園などの公用地も緑化され成熟した街並みが形成されている。この地域全体に広がる緑の空気感を身に沁みて過ごす生活は豊かであろう。さらに地域の緑を享受するだけでなく地域に貢献する互恵的な建築の建ち方で、次世代の街並み形成に貢献できればと期待した。そこで、この緑の空気感を自然と日常に感じられるように敷地全体に広がるような平屋を計画した。敷地中央には室内外の主従関係性が生まれないように室内と同程度の広さの中庭を配し、中庭を取り囲む各住棟をズラしながら内外の有機的な一体感を高めている。さらに敷地外周部には凹みをつくり周囲との接点となる小さな庭を配置した。これは周囲の空気が敷地に入り込んで有機的に絡み合うイメージで入り庭と呼ぶことにした。入り庭の緑は近隣の緑と一体化して緑の層を形成し、お互いに適度なプライバシーを保ちつつ、敷地内のアクティビティーを地域へと表出するフィルターのような役割を果たしている。複数の庭によって、住戸内外、敷地内外が緩やかに溶け合い、空気感が一体となった豊かな生活が入り庭を通して表出し、街並みへ豊かな表情が与えられればと期待している。

●場所:神奈川県鎌倉市  ●主要用途:専用住宅  ●家族構成:夫婦+子供3人  ●構造工法:W造
●建物規模:地上1階 ●敷地面積: 337.15m2  ●建築面積: 124.83m2  ●延床面積: 123.03m2

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