​団地Column Daigo Ishii

私は、ふとした思いつきで、千葉市内の分譲団地を所有することになりました。

2014年に1件、2016年に1件と購入し、気がつけば5年以上も団地に住んでいます。

ここでは、設計者とは別の視点で、団地に暮らすということについて少しご紹介したいと思います。

昭和30年代から40年代、日本中にたくさんの団地が生まれました。

私が所有することになった千葉の2件の団地も、その典型的なものです。

建築当時は最先端で憧れの住まいだったことでしょう。しかし現在、千葉に限らず多くの郊外の分譲団地は、住まいの価格とすれば、驚くような低価格で取引されています。私が団地を購入すると、購入できること、そしてその安さに多くの方が驚きました。

その団地をなぜ購入するに至ったか。それは単純に、住環境として快適である、ということに尽きます。

「リノベーション」、という手法があり、住まいの内部環境については、自由に計画をすることができます。

しかし変えられないものがあります。それは光の差し込み方、窓からの眺めや、風の流れ、躯体のまわりにある環境です。現在、耐震、断熱、防犯、防音、等々住まいの性能は大きく向上しています。しかしプランについては経済的な合理性に従わざるを得ません。限られた開口部、密集した配置、人が生きる環境として、豊かになっていると言い切れない苦しさも抱えています。内見のため団地を訪れると、共用部は緑に溢れ、棟間隔と南北に配置された開口部によって、室内には心地よい風が流れていました。ごく当たり前のようなことですが、最近の集合住宅、分譲戸建住宅では強く感じることができなくなってきました。緑地は計画から4,50年が経過し森となり、適切に維持管理されてきた団地は、もしかしたら他では得ることのできない贅沢な環境を感じながら暮らすという、よい時代を向かえるのではないかと感じたのです。

そのためにも、リノベーションという行為は欠くことができないものです。

共用部分についてはここでは触れませんが、専有部分のリノベーションについては、団地においてまだまだ可能性があります。団地は構造上、壁が多いのが特徴ですが、その分、柱梁が現れてくることがないため、非常にすっきりとした空間になります。私は、専有部分の空間を、屋根が掛かった土地である、というスケルトンの状況を思い浮かべ、敷地と見立てることで、リノベーションの構想を膨らませます。それにより、団地特有の周辺環境とどのような関わりのある空間を設えることができるか。また、50㎡程度の専有部分が多いということも団地の特徴です。

今、暮らし方、働き方、家族の過ごし方も変わってきました。50㎡という広さがちょうどよい時代とも言えます。郊外の40坪程度の戸建住宅で、部屋のほとんどを物置として持て余しているという状況が思い浮かびませんか。

終の住処を得る、という価値観だけでなく、住み替え、という手法も身近なものになりつつあります。健康状態、仕事、家族構成によって、団地内での住み替えもかつてに比べれば容易です。同じ団地内で、親世帯こ世帯、さらには孫世帯、家族同士が適度な距離感で暮らす様子も見られます。

リノベーションして住み替える、というともったいないような気もしますが、団地は不動産投資としては、他に比べるとかなり少ないコストです。競合が少ないとも言えますが、小さな不動産投資の事例も見られるようになりました。当然ながら、住まいというものは、出費の多くを占めます。この出費が小さくなれば、暮らしは楽に、楽しくなっていくものです。私自身、経営者でもあり、決まった収入があるわけではありませんが、住まいのコストが抑えられることで、余計なストレスがなくなりました。管理費、修繕積立金、駐車場、いずれも安いことも団地の特徴です。また、

団地といえば、近所付き合いが深いイメージがありますが、実際に生活してみると、特段難しいことはありません。年2回の階段掃除は、1時間程度で終わりますが、お互いの様子を知るちょうどよい機会です。ほどほどの距離で暮らすことができる、ということが多くの団地の実情ではないでしょうか。

実際に団地を所有してみて、これからの住まいとして、暮らすということが豊かなものになっていく選択の一つとして可能性を感じています。

建築家とつくる家 建築家の選び方 stageworks ステージワークス 理想の空間 リノベーション 不動産

  • Black Facebook Icon
  • Black Pinterest Icon
  • Black Instagram Icon

COPYRIGHT 2017 STAGEWORKS.inc ALL RIGHT RESERVED.

STAGEWORKS株式会社

Head Office
190-0021
東京都立川市羽衣町
1-20-6

GoogleMAP

Phone & Fax
042-842-9390

E-Mail​

info@stageworks.co.jp